フォーラムの原点となった東日本大震災から10年。今度は中国、武漢に発生し全世界を混乱に陥れたコロナウイルスが、再び私達を非常に厳しい境遇に立たせています。
かつて、竹内日祥上人から「組織を崩壊させる敵は、組織の外に存在するのではなく、組織の中に組織そのものを崩壊させる要因がすべて含まれている事実に気づく必要がある」と学びました。
不況時に企業倒産が続出しますが、不況が原因で倒産するわけではなく、不況という外部環境の変化により、既に内部にある倒産要因が一気に表面化して組織が崩壊するからです。
つまり、今私達に求められているのは、この厳しい現実から目をそらすことなく、今こそ、これまで向き合ってこなかった自社の奥底に内在する本質的問題を引きずり出し、正しく受け止め、組織一丸となり、その問題を価値に転換する為の知性と行動です。
この逆境を価値に転換していくための拠りどころとなる『思考のモデル』が、
幾度とない危機を乗り越え、現実に2600年間一つの国家として存続し続けている日本の根本的哲学に存在します。それこそが、このグローバル経営者フォーラムで学び続けている、社員・顧客・地域・国家・人類等々との関係性を分離せず、全体と部分を統合する知性であり、関係性思考を原点とする『日本的経営』です。
来年のフォーラムでは世界を席巻する未曾有の危機に背を向けることなく、参加された皆様が過去の価値観の問題を特定し、従来の価値観の延長線上にない
新たな経営へと抜本革新できると確信する大会にして参りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。