南三陸町はバイオマス産業都市構想を掲げており、循環の事業を行ったり、地域で未利用の資源を活用しています。アミタ株式会社は生ごみや尿汚泥を発酵してバイオガスと液体肥料を創りだすなどの事業をしています。
アミタは各家庭から出る生ごみをバケツに入れて回収しますが異物分別率は住民の協力により1%程度と低い水準になっています。大変興味深く重大な事は、詳しく見て行くと、できていない地域(コミュニティ)は異物が多かったり、新しく建設された団地は生ごみをバケツで出していないことがわかりました。そこで、生ごみを出してもらう活動として、現在の取り組みに対する感謝の言葉を伝えたところ一律して改善が見られました。
回収した生ごみはまずバイオガスになります。その過程で液体の副産物が発生するのですが、それを肥料化することで液体肥料となります。もし液体肥料にすることができなければ水処理して流す必要がありコストが高くなります。また、液体肥料を作りすぎ余ってしまっても廃棄するために水処理が必要なためコストが高くなります。つまり、積極的に理由してくれる農家が存在し、その方へどれくらい液体肥料を供給すればよいかを共有してはじめて成り立つモデルです。作り出す側と利用する側がそれぞれの立場のみから行動をとれば事業として成り立ちません。南三陸では液体肥料を作りだすアミタ株式会社と、それを利用する農家が絶妙な関係性のもと成り立っております。回収した生ごみから液体肥料を創る事業はまさに全体の関係性の上で成立している事業と言えます。